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泌尿器科

ロボット支援下手術 

 

 

泌尿器科におけるロボット支援手術 特徴と実績
特徴と実績1

これまでは、お腹を切って100人以上の患者さんを手術してまいりましたが、最新鋭のロボット「da Vinci Xi」を当院にも導入することによって、骨盤の奥に位置する前立腺を拡大された視野で正確に摘出することができ、再発のリスクを減らすことが可能になりました。しかも、できるだけ正常な尿道を多く残すことより術後尿失禁の合併症も軽減することが可能です。また、癌が前立腺のどの部位にあるかによって、すべての患者さんにおいて適応ではありませんが、右と左にある神経血管束をどちらか温存することで勃起機能を保つ可能性があります

 

     

 

特徴と実績2

ロボット支援手術は、低侵襲手術であると言われています。前立腺癌の場合は、約1㎝の切開を腹部に6か所開けることにより手術を行います。これだけでも、術後の疼痛は軽減されますが、ロボット特有のアーム(手)によって、狭い骨盤の奥で前立腺を摘出した後の尿道と膀胱を吻合する技術は、術後の尿道バルーンを早期に抜去することが可能で早期退院につながっています。当科では、術後から10~11日目には多くの患者さんが退院され、入院期間は2週間以内です

 

 

ダビンチサージカルシステム認定医

当院ではロボット支援手術を行う資格を持った医師が3名(玉田、呉、香山)、そのうち玉田は他の医師を指導できる資格(泌尿器内視鏡・ロボティクス学会プロクター)とロボット外科学会認定の国内A級ライセンスも取得しています。特にロボットを用いた腎部分切除術は玉田が行います。大阪市立大学在籍中に50例以上の手術を行っています。

部長:玉田 聡 副部長:呉 偉俊 医長:香山 侑弘

 

応援体制

当科では、大阪市立大学医学部泌尿器科学教室からの応援体制も構築しており、特に全国的にも屈指のロボット手術件数を誇る山﨑健史講師もそのうちの一人です。

 

ロボット支援下手術の今後と保険適用について

 

もちろん、保険適応されています。受診される際は、かかりつけの先生から地域医療連携室を通じて予約されることをお勧めしています。

今後は、腎癌の部分切除や膀胱全摘術にも、「da Vinci Xi」を応用する予定ですので随時アップデートいたします。

  

 

前立腺癌のロボット手術

当院では2019年8月から手術方法としてロボット支援手術(ダ・ビンチ)を行っています。当院ではロボット支援手術を行う資格を持った医師が3名(玉田、呉、香山)、そのうち玉田は他の医師を指導できる資格(泌尿器内視鏡・ロボティクス学会プロクター)とロボット外科学会認定の国内A級ライセンスも取得しています。

     

通常、この手術を行うには頭を25度下げた状態で行いますが、脳疾患の既往がある、緑内障を有する症例などでリンパ節郭清を必要としない患者さんに対しては、頭を5-10度しか下げない後腹膜アプローチによる方法も行っています。

手術時間は2.5時間(リンパ節郭清なし)から4時間(リンパ節郭清あり)で、出血量は100ml程度、輸血を要することはほとんどありません。

この手術のポイントはできるだけ正常な尿道を多く残すことより術後尿失禁の合併症も軽減させることです。また、癌が前立腺のどの部位にあるかによって違いますが、右と左にある神経血管束をどちらかもしくは両方を温存することで尿失禁を予防したり、勃起機能を保てる可能性があります。

ロボット支援手術は前立腺癌の場合は、約1㎝の切開を腹部に6か所開けることにより手術を行います。これだけでも、術後の疼痛は軽減されますが、ロボット特有のアーム(手)によって、狭い骨盤の奥で前立腺を摘出した後の尿道と膀胱を吻合する技術は、術後の尿道バルーンを早期に抜去することが可能で早期退院につながっています。
当科では、術後から5日目には尿道カテーテルを抜去し、6-7日目には多くの患者さんが退院されます。
その後は、外来でPSAを採血して再発していないか経過観察します。

 

 

腎細胞癌のロボット手術

癌が4cm以下(病期T1a)である場合は、腎部分切除が適応となります。腫瘍の位置や形状により7cm以下(病期T1b)まで腎部分切除の適応となることがあります。
当院では腎部分切除は、ダビンチを用いたロボット支援手術で行います。おなかに操作用のポートを6つ開け(傷の大きさはカメラ挿入部が2cmで、他は1cm程度です)手術を行います。

手術は2-3時間、出血は100ml程度で輸血を要することはほとんどありません。

当院ではロボット支援手術を行う資格を持った医師が3名(玉田、呉、香山)、そのうち玉田は他の医師を指導できる資格(泌尿器内視鏡・ロボティクス学会プロクター)とロボット外科学会認定の国内A級ライセンスも取得しています。
2022年からはロボット支援手術腎摘除術も導入し、今後はほとんどの症例をロボット支援下に行います。

 

左経腹膜アプローチ(ロボット腎部分切除の場合)

 

   

腫瘍の位置をエコーで確認しています

 


赤い枠に囲まれたのが腫瘍です
 


 

 

腎動脈を一時的に遮断した後に腫瘍を切除しています
腫瘍切除が終了し、止血しています

 

 

膀胱癌のロボット手術

膀胱癌が筋層に浸潤していた場合は、そのままでは転移する可能性が非常に高くなるため、膀胱全摘除術を行う必要があります。ただし、癌が膀胱周囲脂肪や隣接臓器に浸潤している場合は、膀胱全摘を行う前に抗癌剤治療を行った後、効果があれば膀胱全摘除術を行います。
手術はロボット支援膀胱全摘除術を行っています。当院ではロボット支援手術を行う資格を持った医師が3名(玉田、呉、香山)、そのうち玉田は他の医師を指導できる資格(泌尿器内視鏡・ロボティクス学会プロクター)とロボット外科学会認定の国内A級ライセンスも取得しています。
手術時間は7時間程度、出血量は200ml程度で輸血を要することはほとんどありません。

おなかに操作用のポートを6つ開け(傷の大きさはカメラ挿入部が2cmで、他は1cm程度です)手術を行います。尿路変更の為に、腸管を切り出す操作に関しては、小切開(カメラ挿入部の傷を5㎝程度まで広げる)をおいて行います。
 

 

膀胱全摘を行うと、尿路の再建が必要となります。
尿路の再建には大きく分けて二つの方法があります。
 

【非失禁型】

回腸で膀胱のような袋を作成し、それに尿管、尿道を吻合し、従来通りに排尿できるようにする手術です。ストーマを必要としませんが、代用膀胱ですので、必ずしも自力で排尿できるとは限らず、自己導尿が必要となる場合もあります。癌が前立腺近くに浸潤していなければこの手術が可能です。

   

 

 

【失禁型】

回腸を20cmほど遊離して、それに尿管をつなげ、回腸末端を体外に出しストーマを形成する手術です(回腸導管)。尿は常に流れ出るためパウチと呼ばれる集尿袋を付ける必要があります。
回腸を用いず、尿管を直接体表に出してストーマとする尿管皮膚瘻という手術がありますが、尿管は脆弱であるため、尿管が狭窄する場合があり、回腸導管を作るリスクの高い高齢者や合併症を有する患者様に行われる手術です。

 

 

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