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整形外科

人生100年時代、「動く」「生活する」を支える運動器がとても大切になっています。

 

運動器とは、骨や筋肉、関節のほか、脊髄や神経が連携し、身体を動かす仕組みのことで、車に例えるならタイヤを含めた駆動部分にあたり、「動く」「生活する」ためには不可欠です。

運動器の障害によって移動機能が低下した状態であるロコモティブシンドローム(ロコモ)を予防・ケア、治療することで生活が大きく変わります。

当科は、各分野のプロフェッショナルが揃っています。

1.骨軟部腫瘍、骨転移

2.関節外科(股関節、膝関節)

3.脊椎外科

4.手の外科(肘関節、手)

5.外傷整形外科(上肢、下肢)

6.骨粗鬆症

2060年には、平均寿命が女性91歳、男性84歳、人口の4割が65歳以上になると言われています。「スッと逝く」ことを望む人は多いのですが、日常生活に制限のない期間(健康寿命)と平均寿命の差は約10年あり、誰かのお世話になるのが現状です。

少子超高齢化社会を迎え、介護されるよりも自立することが求められ、「生きる」ための治療もさることながら、「動ける」「生活できる」ための予防・ケアを含めた治療が重要になっています。

当科は、地域の医療機関と連携し、手術を中心とした急性期治療を担っております。地域の医療機関でのお薬や装具、リハビリによる治療を行っても、また生活習慣を改善してもよくならない場合には、診察のうえ、有効な治療法を探し、少しでも心身ともに豊かな生活になることを支援する治療を提供して、地域の医療機関にお繋ぎします。

病気だけを診ず、人を診て、Quality of Survival(QoS)の向上を目指してまいります。

 

大阪大学整形外科 http://www.osaka-orthopaedics.jp/

大阪大学整形外科 卒後研修 http://www.osaka-orthopaedics.jp/recruit/

 

 

診療内容

1.骨軟部腫瘍・骨転移

できもの(腫瘍)があれば、専門医にご相談ください!

できもの(腫瘍)には良性と悪性(がん)があります。良性は命に直結しないもの、悪性(がん)は命に直結するものです。

がんには、①癌、②血液がん、③肉腫があります。癌は主に内臓にできるがん、肉腫は骨や軟部組織(筋肉、脂肪、血管、神経など)にできるがんです。

2人に1人が「がん」になる時代となり、骨転移が増えています。骨転移は、がん治療や日常生活を左右するほど大きな影響がありますので、ケアと治療がとても大切になります。

がんになったら終わりというイメージが強いですが、治療も進歩しており、5年生存率は70%近くまで伸びています(昭和50年頃は30%でした)。大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)の5年生存率が60%に及ばないことを考えると、「がん=死」ではなくなっているのかもしれません。

だからこそ、できもの(腫瘍)に気付いたとき、怖がらず、逃げずに専門医に相談してください。対処が早ければ早いほど、救われることは間違いありません。

当科では、診察や検査で的確な診断を行い、迅速に適切な治療を行います。

当院で行う主な治療

肉腫の場合は、①抗がん剤、②手術、③放射線をうまく組み合わせる集学的治療を行います。骨転移の場合は、原発(転移の親分であるもともとのがん)に対する治療と平行して、ケアと集学的治療を組み合わせ、「動ける」「生活できる」トータルマネジメントを行います。

抗がん剤は全身のがんに対する治療で、がん細胞を徹底的にやっつけるお薬(細胞障害性抗がん剤)、がん細胞を選択してやっつけるお薬(分子標的治療薬)、免疫を利用してがん細胞をやっつけるお薬(免疫チェックポイント阻害薬)があります。手術と放射線は特定の部位のがんに対する治療で、がんの勢いをコントロールしたり、「動く」「生活する」ために行います。


 

抗がん剤治療
・ADM(アドリアマイシン)+IFO(イフォスファミド):AI
・Gem(ゲムシタビン)+Doce(ドセタキセル):GD
・VLB(ビンブラスチン)+MTX(メソトレキセート)
・HD-IFO:高用量IFO(イフォスファミド)
・エリブリン(ハラヴェン®)
・トラベクテジン(ヨンデリス®)
・パゾパニブ(ヴォトリエント®)
・ニボルマブ(オプジーボ®)
・ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)
などを行います。

手術
・腫瘍切除術(悪性腫瘍広範切除術など)
・機能再建術(腫瘍用人工関節置換術、術中体外照射自家骨移植術、筋皮弁移植術など)
良性の場合はできる限り腫瘍だけを切除しますが、悪性の場合は腫瘍のまわりに広がったがん細胞も含めて広範囲に切除します。病状や生活に応じて、がんを切除する、あるいは機能を温存する、再獲得することを目指して最適と判断する手術を行います。

放射線治療
腫瘍を完全にやっつけるために行う場合もあれば、痛みを和らげるため、がんの勢いを抑えるために行う場合もあります。手術や抗がん剤とうまく組み合わせることで効果を高めることができます。

骨転移に対するトータルマネジメント
骨転移は、できる限り早めのケアと治療が奏功します。限られた医療者だけでなく、多くの専門職が介入するチーム医療が実践されると、身体的、精神的、社会的な苦痛が緩和され、心身ともに豊かなキャンサージャーニー(がんの旅路)を歩むことができます。


 

「がん」だから仕方がないと思ってあきらめていませんか?

「痛い」「動けない」「生活できない」原因が、①がん自体による(骨転移など)、②がんの治療による(副作用や合併症による神経障害や脆弱性骨折、廃用など)、③がんに併存する別の病気による(痛風や変形性関節症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症など)ことがあり、一概にがんのせいとは限りません(がんとロコモティブシンドローム:がんロコモ)。「がん」というフレーズに惑わされずに原因を追及すれば、ひょっとすると痛みが和らぎ、もっと動けるようになるかもしれません。


 
できもの(腫瘍)があれば、大きさや症状に関わらず、早めに専門医の受診をお勧めします。
「生きる(延命)よりも活きる(生活)」「治療のために生きるのではなく、活きるために治療する」を実践し、心身ともに豊かな生活の支援を医療で提供できれば幸いです。

 主に担当するスタッフ

倉都 滋之 (副院長・整形外科 部長)
大島 和也 (整形外科 副部長・リハビリテーション科 部長)

 

大阪大学整形外科 腫瘍グループ

個々の社会生活に応じ、適切な治療ができるよう、関連施設で連携しています。
大阪北部:大阪大学医学部附属病院
大阪市内:大阪国際がんセンター、大阪医療センター
大阪南部:ベルランド総合病院

 

 

2.人工関節全置換術

股関節、膝関節、肘関節などの関節軟骨が変性して骨の破壊が進行した末期の変形性関節症や関節リウマチ、特発性骨壊死に対して人工関節全置換術(THA、TKA、TEA)を積極的に行っています。また、症例によっては単顆型人工膝関節置換術(UKA)も行っております。人工関節置換術後のゆるみに対しても再置換術を行っています。股関節、膝関節とも人工関節置換術後、約1~2日で歩行を開始し、3週間での退院が可能です。最小侵襲手術(MIS)による手術も行っていますので、希望される方は担当医にご相談下さい。

 


<人工股関節全置換術(THA)>

<人工膝関節全置換術(TKA)>

 

<単顆型人工膝関節置換術(UKA)>


ただし膝関節の内側以外にも関節症性変化がある、関節の変形が強い、靭帯不全がある、関節拘縮がある、などの場合はUKAを適応せず、TKAを行います。

 

(1)股関節 <担当:許>

ナビゲーションシステムを用いた人工股関節全置換術について

 

手術、入院の流れ
  • 外来受診で手術決定
    →術前検査、必要な方は自己血貯血を計画
       術前計画に必要なCT撮影
       麻酔科受診
  • 手術1日前に入院
  • 手術翌日に離床
  • 術後2日目より歩行練習開始
  • 術後2~3週程度で退院(1本杖歩行が目標)
  • 退院後約1カ月で最初の検診
    個人差はありますが最終的には杖不要となる方が多いです。

 

輸血について

輸血に伴う合併症予防のため、股関節では、通常手術前に自分の血液を採取し貯めておく術前貯血式自己血輸血もしくは術中に出血した血液を洗浄回収し輸血する術中回収式自己血輸血を併用しています。当科の特色は、同種血輸血や貯血式自己血輸血がイヤだと拒否される方に対しても、全身状態をよく検査した上で、患者さんの負担が最も少ない術中回収式自己血輸血のみでの手術を行っていることです。これは、学会などでそのデータを発表し、信頼を得ております。ご相談の上、可能な限り患者さんのご意向に添えるよう工夫させていただいております。

 

(2)膝関節

当科では、本手術に対して全く輸血をせずに(同種血輸血や貯血式あるいは術後回収式輸血などすべてを含め)手術する画期的な方法を開発しました。この方法については、学会・論文でも報告し、患者さんから非常に好評を得ております。

 

 

3.脊椎外科

背骨は生活するうえでとても大切な支えです!

「腕(手、指)がしびれる」「腕(手、指)が痛い」「力が入りにくい」「転けやすい」は、頸髄症、頸椎椎間板ヘルニアなど、頸椎の病気による症状かもしれません。

「腰が痛い」「脚がしびれる」「脚が痛い」「力が入りにくい」「転けやすい」は、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎辷り症など、腰椎の病気による症状かもしれません。

「背中が痛い」「力が入りにくい」「転けやすい」「おしっこやお通じが出にくい」は、脊椎圧迫骨折、脊椎転移など、胸椎の病気による症状かもしれません。

診察や検査を行い、お薬や装具、リハビリによる治療を行っても、また生活習慣を改善しても十分な効果が得られない場合には、注射や手術を検討します。

 

当科で行う主な手術

 

腰椎椎間板内注射(コンドリアーゼ)

対象疾患:腰椎椎間板ヘルニア
お薬や装具でよくならない場合、コンドリアーゼ(ヘルニコア®)の腰椎椎間板注射を短期入院で行い、椎間板内圧を下げ、神経への圧迫を軽減する方法です。

頸椎椎弓形成術

対象疾患:頸髄症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靱帯骨化症、頸椎症性神経根症など
神経(頸髄やその分枝)が圧迫されることで、手足を動かす脳からの命令(電気信号)の流れが悪くなっている場合に行います。頸の骨(頸椎)を削って、神経が通る管を広げ、神経への圧迫を解除し、頸椎を再建する手術です。

 

開窓術(椎弓切除術)

対象疾患:腰部脊柱管狭窄症、胸椎黄色靱帯骨化症など
脚を動かす命令を伝える神経が圧迫され、神経の首が絞められたような状態になって、脚に痺れや痛み、力が入りにくいなどの症状がある場合に行います。背骨を削って、神経への圧迫を解除し、再び神経に電気信号が流れるようにする手術です。

 

 

脊椎固定術(腰椎椎体間固定術:PLIFなど)

対象疾患:腰椎辷り症、側彎症、環軸椎亜脱臼、外傷性脊椎骨折など
先天的に、あるいは酷使することで、頭や体を支える背骨が不安定となり、その不安定性のために神経が圧迫されて、腕や脚に症状がある場合に行います。スクリューやロッド、ケージなどを用いて背骨の固定を行う手術です。

 

 

経皮的椎弓根スクリュー(PPS)による最小侵襲脊椎安定術(MISt)

対象疾患:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、転移性脊椎腫瘍、感染性脊椎炎など
背骨の不安定性による痛みで動けない場合に行います。病状や生活に応じて、できる限り、身体への負担を少なくしながら、大きな効果が得られるようにします。皮膚の切開や筋肉の切離を小さくして、スクリューとロッドを用いて背骨の固定を行う手術です。

 

 

椎体形成術(経皮的後弯矯正術 Balloon Kyphoplasty:BKPなど)

対象疾患:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、転移性脊椎腫瘍
「いつのまにか骨折」である骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折や脊椎転移による圧迫骨折が増えています。なかには強い痛み、なかなか改善しない痛みで動けなくなることがあります。このようなときに、経皮的に(背中から針を刺すだけで)あるいは切開して、背骨を自然な形に戻して不安定性をなくし、痛みを和らげ、動けるようにする手術です。

 

脊椎悪性腫瘍手術

対象疾患:原発性脊椎悪性腫瘍、転移性脊椎腫瘍

がんの治療も大切ですが、先ずは「動ける」「生活できる」ことが大切です。痛みを減らし、ベッドから離れる生活ができるように支援します。病状や生活に応じて、がんを切除する、あるいは機能を温存する、再獲得することを目指して最適と判断する手術を行います。

歳だから仕方がないと思ってあきらめていませんか?

原因を探求すれば、ひょっとすると痛みが和らぎ、もっと動けるようになるかもしれません。地域の医療機関でのお薬や装具、リハビリによる治療を行っても、また生活習慣を改善してもよくならない場合には、診察のうえ、有効な治療法を探し、少しでも心身ともに豊かな生活になることを支援する脊椎外科を提供できれば幸いです。

 

主に担当するスタッフ

飛松 秀和(脊椎センター・脊椎外科 副部長)
大島 和也(整形外科 副部長・リハビリテーション科 部長)

 


4.手の外科

(1)骨折・腱断裂・神経損傷などの外傷に対して専門的な手術加療を行い、機能回復と早期社会復帰を目指します。

 

 

(2)小児外傷・開放骨折など緊急的な手術を要する場合には、即日・翌日など早期に対応しています。

 

(3)外傷後の偽関節例や関節拘縮に対し適切な手術とリハビリテーションによる治療を行っています。

 

(4)前腕骨折後の変形治癒・可動域制限を来たした症例に対して、大阪大学で開発した3次元コンピューターシミュレーションシステムを用いて正確な変形矯正手術を行っております。

 

 

(5)リウマチ手の外科の運動解析を基に、患者さま個々の症状に応じて適切なリウマチ上肢の再建手術を行っています。

 

 

主に治療している疾患

上肢骨折、腱断裂、神経損傷、骨折後変形、リウマチによる変形、上肢の運動障害、拘縮、肘部管症候群、手根管症候群、舟状骨偽関節、手指拘縮、デュプイトレン拘縮、キーンベック病(月状骨軟化症)、神経性腫瘍、人工肘関節、人工指関節

 


5.外傷整形外科(上肢、下肢)

ケガや骨折は誰にでも突然襲いかかってくる!

ケガや骨折は、生活している限り、誰にでも起こりえます。しかも、得てして不意に襲いかかってきます。

当科で行う主な手術・処置

創外固定術
複雑な骨折や不安定な骨折、腫れがひどい場合、神経や血管に障害がある場合、一期的な手術が困難な場合などに行います。

 

ピンニング・プレート・髄内釘による観血的整復固定術
一般的な骨折に対する手術です。折れた骨をできる限り元に戻して、金具を用いて固定します。
 

画像提供:(株)日本ストライカー

人工骨頭置換術
脚の付け根が骨折すると歩けません。当たり前に過ごしていた生活が大きく変わり、寝たきりとなって、心身ともに弱ってしまいます。できる限り早く動けるように手術を行います。

 

関節鏡視下手術
膝関節のクッションである軟骨の手術、膝関節内の骨折や感染の手術などで、関節鏡を用いた低侵襲手術を行っています。

 

持続陰圧吸引・局所陰圧閉鎖療法
皮膚がなくなって骨や筋肉が露出している場合、傷に感染が起こっている場合、栄養状態が悪く傷や床ずれが治らない場合などに行います。

 

主に担当するスタッフ

梅本 周作(外傷整形外科 部長)

 

6.骨粗鬆症診療

大腿骨近位部骨折に対する骨折連鎖予防

 

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