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泌尿器科

早期発見・早期治療
患者さんのライフスタイルに合わせた治療を

 

堺市にあるベルランド総合病院 泌尿器科は、昭和61年より大阪市立大学医学部泌尿器科と連携をとりながら診療を行っており、現在、常勤医5名と非常勤医2名が勤務しています。常勤医5名のうち日本泌尿器科学会認定専門医が3名で3名とも指導医です。

外来診療は月曜日から土曜日までの午前中に2診制で行っています。
手術日は月・水・金で年間695件(2018年、前立腺生検156件とESWL28件含む)の手術・検査を行いました。

悪性疾患に対しては、診療ガイドラインに基づきながらも個々の患者さんにとって最適な治療を提供できるように努力しています。2019年8月から前立腺癌に対して、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全術を行っています。

また、良性疾患に対しては、やみくもに手術のみを勧めるのではなく、患者さんのQOL(quality of life:生活の質)向上をまず第一に考えて診療しています。

進行した膀胱癌や神経因性膀胱のため尿路変更を行っている患者さんは、皮膚排泄ケア認定看護師も診察を手伝ってくれています。

 

 

 

診療内容

悪性疾患

1) 前立腺癌

 

 ● 前立腺癌とは?
2017年の国立がん研究センターのがん統計によると、男性の罹患する癌では前立腺癌が1位であり約9万人でした。人口10万人あたりでは約148人で生涯罹患リスクは約10%、つまり男性が生きている間に10人に1人は前立腺癌になる可能性があります。

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2017年の国立がん研究センターのがん統計によると、男性の罹患する癌では前立腺癌が1位であり約9万人でした。人口10万人あたりでは約148人で生涯罹患リスクは約10%、つまり男性が生きている間に10人に1人は前立腺癌になる可能性があります。しかし、2018年の統計によると、死亡数は男性で6位の12250人、5年相対生存率(癌と診断されても5年後に治療でどれだけ命を救えているか)は99.%です。
なぜ生存率が高いか?それはホルモン治療(男性ホルモンを低下させる治療)が、非常によく効くからです。100%ではありませんが、ほとんどの人が皮下注射(1か月製剤、3か月製剤や6か月月製剤)と飲み薬により、少なくとも数年は癌の進行を抑えることができます。ですから前立腺癌と診断されても、すぐに命がなくなるわけではないのです。ただし、中には数か月でホルモン治療の効果がなくなる方もいますし、一方で数年間効果が持続する方もいます。
そして、ホルモン治療の効果がなくなれば抗がん剤を投与したりする必要が生じます。また、受診時、すでに転移がある場合は、完治は望めなくなります。

 

● 検査と診断について
前立腺癌にはPSAという特有の腫瘍マーカーがあります。人間ドックでPSA異常値を指摘されて泌尿器科を受診される方や、最近では、自治体のがん検診でもPSAの採血を採用している市町村も多くなってきました。

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  1. しかし、PSAが異常値だからといって、必ずしも前立腺癌とは限りません。 確定診断には、生検と言って前立腺組織を針で採取して診断します。

    当院では、生検の前に前立腺のMRを撮影しています。事前にリンパ節転移の有無と癌が疑われる部位があるかどうかを把握しておきます。当院での2017年から2018年の2年間の統計では、MRで癌が指摘された部位に実際に癌があった割合は約60%でした。 当院の生検日は、月水金あるいは土曜日に入院していただき、その日に生検をします。腰椎麻酔か局所麻酔のどちらか事前に決めておいた希望の方法で麻酔をした後、原則12か所を生検し、翌日の午前中に退院していただくことにしています。もちろん、事前にMRで指摘された部位も含めて生検いたします。

    304人の患者さんに前立腺生検をした 結果、PSAの値と癌と診断された割合は (表1)のようになりました。 PSA10.1~20.0までは49%と 4.0から10.0までの52%より低くなっていますが、もっと人数を多く統計をとれば、おおむね、PSAが上昇するに従い、(表1)癌の割合も多くなっていくと思われます。
(表1)
PSA (ng/ml)  癌の割合 
4.0-10.0    52% 
10.1-20.0 49% 
20.1-50.0  74%
50.1-    100%

 

  • 304人全体では、58%の人が癌と診断されました。 年齢別にみると、(表2)のようになりました。 50歳代以上から増え始めて、高齢になるほど 癌の割合が増えていきます。 しかし、80歳以上で前立腺癌と診断されても、 肺炎など他の病気で亡くなる方も多く、高齢で 前立腺生検をすることには、慎重にすべきであると 考えています。 それよりも大切なことは、若い方は積極的に生検を 行い、癌が転移をおこしていないステージで(表2) 癌を見つけて完治を目指すことです。
    ここには掲載していませんが、PSAが低い値で癌が見つかったほうが、 癌が転移をおこしていない割合が多く、完治する可能性が高くなります。
(表2)
年齢   癌の割合
40-49    0%
50-59  50%
60-69 50%
70-79 57%
80-   81%

 

 

 

● 病期(ステージ)について
MRやCT、骨シンチなどで癌がどこまで広がり転移をしているか調べます。

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T分類(癌の進展度)
stage T1   癌が前立腺の中にあり触診や画像で認めず、生検などで癌が判明。
stage T2   癌が前立腺の中にあり触診や画像でも癌を認めるが転移はない。
stage T3   癌が被膜を越えて浸潤している。
stage T4   癌が膀胱や他の臓器に浸潤している。
 
N分類(リンパ節転移)
N0   所属リンパ節転移がない。
N1   所属リンパ節転移がある。
 
M分類
M0   転移がない。
M1   転移がある。

 

● 治療について
治療は、手術治療、放射線治療、ホルモン治療、抗癌剤治療に分かれます。 完治する治療方法として、手術治療と放射線治療があげられます

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手術治療
期待余命10年以上ある方にお勧めしています。具体的には、平成30年の厚生労働省発表の平均余命表によると、75歳の方で12.29年、80歳の方で9.06年となっていますから、身体的にお元気な方で他に重い病気がない方では70歳代後半までが対象です。それ以上の年齢の方や他に重い病気をある方は、個人差はありますが、手術でなくても放射線治療やホルモン治療が比較的長期間効果が持続するので、その方にとってベストな治療を選択いたします。 手術治療は、根治性、術後の失禁や勃起障害が問題となります。
当院では2019年8月から手術方法としてロボット支援手術(ダ・ビンチ)を行っています。このロボットを使用することによって、根治性(完全に癌が取り切れる)や術後の失禁も格段に成績が良くなっています。希望される方には、勃起神経を温存することも可能ですが、神経を温存しても必ずしも勃起障害が起きないとは限りませんし根治性に問題が生じることもあるので、担当医をよく相談することが望まれます。
入院期間は約2週間弱です。その後は、外来でPSAを採血して再発していないか経過観察します。
放射線治療
当院では外照射のみを行っており、一般的にはホルモン治療を6か月から9か月先行したのち、約2か月かけて通院または入院にて週5日、少しずつ照射して癌を殺していきます。その後、高い再発リスクのある方を除いて無治療で、PSAを外来で採血して経過観察します。

【イメージ】
   ホルモン治療 放射線治療 外来でPSAを採血して経過観察    
   (6-9か月)   (2か月)   (高リスク:約2年間ホルモン治療)

なお、放射線治療を行うと、合併症として直腸出血が報告されています。輸血を伴うこと(1-6%)もあり、大腸カメラなどで直腸を刺激すると出血しやすくなります。
当院では放射線治療前に大腸カメラをしていただき、事前に大腸癌がないかどうかを検査します。そうすることによって、放射線治療後の下血に対して大腸癌がないことが分かっていれば、大腸カメラをしないで済み無用な直腸出血を回避できるからです。
 
ホルモン治療
リンパ節転移や骨転移など診断時に転移があった方や80歳以上の高齢者に対して行う治療です。皮下注射と内服で治療を行っていきますが、効果が数年でなくなることが多く(長い方で10年近く効果が持続する方います)、その場合は内服の薬を変更したり、抗がん剤の点滴治療をしたりします。 抗癌剤治療は、日本ではドセタキセルとカバジタキセルが承認されています。 ホルモン治療の効果がなくなった時に使用します。特に予想外に早くホルモン治療の効果がなくなった場合(6-12か月)、早期に抗癌剤治療を始めることが推奨されています。

 

 

2) 腎癌、腎盂尿管癌

基本的には、腹腔鏡手術にて摘出手術を行い、腎部分切除が可能なケースは開腹にて行っています。

 

 

 

 

3) 膀胱癌

浸潤性膀胱癌に対しては、膀胱全摘および回腸導管全摘術を行っています。症例を選んで回腸による自排尿型代用膀胱造設術(ネオブラダ―)を行います。非浸潤性膀胱癌に対しては、再発防止のために、できうる限り内視鏡で深く広範囲に切除しています。術後抗がん剤やBCGの膀胱内注入療法を行って再発率の低下に努めています。

 

 

 

4) 精巣腫瘍

精巣腫瘍が疑われたなら、できるだけ速やかに精巣を摘出し、リンパ節の腫大が認められれば標準的な放射線治療や抗がん剤治療を行っています。

 

 

良性疾患

1) 尿路結石

5mm以下の小さな結石であれば自然に出てしまう人もいますが、出ない場合は大きさと場所、硬さによって治療の方法を変える必要があります。また、人によって簡単に治療できる場合もあれば難渋する場合もあります。当院では、下記の2つの方法を患者さんの状態と環境に応じて治療選択をしています。

 

ア) 体外衝撃波結石破砕術:ESWL

2011年4月より第三世代のESWL装置である Dornier社製DeltaⅡを導入しました。2011年4月から2013年10月までの2年7ヶ月で上部尿路結石に対してESWLを施行した144人162件(1人で2-3回することもあるので)を行いました。
基本的に1泊2日で(今後は尿管結石に限り日帰り手術を検討します)、麻酔はせず術前に坐薬を入れ、術中疼痛が強い場合は痛み止めを追加します。 治療効果判定をESWL後より3カ月以内にレントゲンまたは超音波検査を行い、完全排石または残石4mm以下となった場合を有効としたところ、腎結石に対する有効率は約80%、尿管結石に対する有効率は約85%でした。

 

イ)経尿道的レーザー破砕術:TUL

2009年10月よりボストン社製ホルニウム・ヤグレーザーを購入し結石破砕治療を行ってきました。特に、軟性尿管鏡を併用するようになった2011年2月から症例数が増加し、2013年12月までに上部尿路結石に対してTULを 施行した77症例101件の治療成績は、2回以上行った症例も含めて最終的に尿管結石の場合は95%に結石が消失し、全体では約80%の成功率でした。ただし、大きい腎結石であれば長時間破砕すると術後の発熱など合併症が生じる可能性が高くなるため数回に分けて破砕する必要があります。
入院期間は手術前日入院の場合、3泊4日が基本です。

 

 

2) 前立腺肥大症

ゴールドスタンダードである内視鏡的に前立腺を切除しています。入院期間は手術前日入院の場合8泊9日が基本です。

 

 

3)感染症

急性腎盂腎炎の場合、39-40℃近く夕方から夜にかけて発熱することがあり、入院して抗生物質の点滴が必要になることがあります。特に、結石などによって尿の流れが悪くなり細菌尿が腎臓から出にくくなる(閉塞性腎盂腎炎)と、最悪の場合死亡する可能性があるため出来るだけ早期に尿管カテーテルを挿入しています。その他、難治性の急性前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)も入院して治療を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

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