緩和ケア科
緩和ケアとは
がんによる身体と心の苦痛を和らげ、患者さんの社会生活、またご家族も含めた支援を行うことで患者さんとご家族が自分らしい生活を送れるようにするための医療とケアのことをいいます。
緩和ケアは、がんと診断されたときから受けることができます。
がんになると、痛み、倦怠感、食欲低下、吐き気、息苦しさなど、様々なつらい症状があらわれることがあります。また、こうした症状があることで、落ち込み、イライラ、眠れないなど、心のつらさが起こることもあります。 仕事のことなど社会的・経済的なご心配もあるかと思います。これらのつらさは、一つひとつが別々に存在しているのではなく、それぞれが関連していることが特徴です。
緩和ケアは、がん治療の初期段階から一緒に受ける医療とケアのことです。それぞれの患者さんの状態にあった方法で、様々なつらさを取り除いていきます。医療以外の問題についても、主治医、看護師、各専門職種で協力して問題解決にあたります。
緩和ケア病棟
平成26年9月の新病院設立を機に、最上階である10階に緩和ケア病棟が設立されました。院内外のがん患者さんの苦痛な症状の緩和、在宅療養で介護疲れを抱えるご家族の支援、そして穏やかな看取りを行うことを目指して、病棟スタッフが一致団結して、日々ケアに取り組んでいます。
病棟の特徴としては、お体もお気持ちも穏やかに過ごしていただくために、全室個室で落ち着いた色調で統一しました。患者さん、ご家族の方々が集い過ごしやすいように、ルーフガーデンとファミリーキッチンを設けました。毎日のようにご家族が面会に訪れ、ご家族で食事をしたり、お誕生日を祝うなど、大切な思い出づくりのお手伝いをさせていただいております。
症状が和らいて状態が落ち着かれましたら、患者さん・ご家族の方々のご希望をお伺いし、医療ソーシャルワーカーと協働して在宅療養の支援も行っております。退院された後も、緩和ケア外来でフォローを行ったり、訪問診療の先生方、訪問看護ステーションと連携し、必要時には再度入院していただいたりするなど、在宅療養のバックアップとしての機能も強化していきたいと考えております。
|
ご家族の方の休息、宿泊ができるお部屋を設けています。 |
病棟の中心にあるリビングコーナーでは、 季節を感じるいろいろな催しを行っています。 |
寝たまま入浴ができる特別浴室を設けています。 |
天気のいい日にはガーデンに出て、 足湯をしていただくこともあります。 |
病室で診察を行います。 |
緩和ケア外来
緩和ケア外来においても、患者さん本人のみならず、ご家族のサポートも行ない、身体的苦痛および精神的苦痛の緩和も目指しています。病気や将来に対する不安などの相談もあるため、専門的知識を有したスタッフと共に緩和医療とケアの提供を行っております。
★必ず紹介状をお持ちになってご来館ください。
受診にかかる費用は患者さんご本人が受診された場合は保険適用になりますが、ご家族の方のみが受診された場合は自費になります。
- ・相談料金:30分 5,400円(税込み)
以後30分毎に 5,400円 - ・画像診断料:4,860円
緩和ケア外来診療分担表はこちら
①症状緩和目的での通院
がん治療の有無に関わらず、通院中の患者で症状緩和が必要な方のフォローも行っています。がん化学療法中であれば症状の緩和を担って治療の継続をサポートし、診断時からの緩和ケアを実践しています。意思決定支援、症状緩和中心の治療への移行などにも介入してがん治療医を支援しています。
②他施設からの紹介に対する面談
他施設での治療を終え、ご自宅で過ごしたいという場合には通院していただき、また在宅支援のサポートも多職種と協働して行っています。
今後もチームアプローチで質の高い緩和ケアを提供していきたいと思います。
緩和ケアチーム
緩和ケアチームは、患者さんとご家族に緩和医療とケアを提供します。当院の緩和ケアチームは、定期的にカンファレンスを行い、患者さんのベッドサイドにお伺いしています。
緩和ケアチームのメンバーは、日本緩和医療学会専門医、精神科医師、専門的技術・知識を有する看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、公認心理師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士などの多職種から構成されています。それぞれの専門性を活かし、患者さんやご家族の身体や気持ちの「つらさ」を緩和できるよう、主治医の先生や担当看護師と協力しながら日々活動しております。