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整形外科

ロボティックアーム(Makoシステム)


2022年8月より「ロボティックアームを使用した人工股関節置換術・人工膝関節置換術」保険適用で開始しました。

正確な人工関節置換術を可能とするMakoシステム

 加齢により膝や股関節の軟骨がすり減って生じる変形性関節症では、歩く・階段を昇り降りする、などの日常生活が困難となります。関節の傷んだ部分を取り除いて入れ替える人工関節置換術は、痛みをなくして動きを良くする大変優れた治療方法です。最善の結果を得るには、正確に骨を切除して正しい位置に人工関節を設置することがきわめて重要です。
 Makoシステムでは術前にCT3次元画像を用いて綿密な手術計画を立てます。さらに手術中、骨と手術器具の位置関係を光学センサーで術中モニタリングしながら、術者が術前計画通り正確に骨切除することをロボティックアームにより支援します。今までにない、画期的な手術支援システムです。

 

ロボティックアームとは

 ロボティックアームは、コンピューターで制御された「人の手の代わりに作業を行う機械の腕(アーム)」のことで、自動で動くものや人が操作して動かすものなどがあります。このたび当院で
導入したロボティックアームは人工股関節/人工膝関節置換術用の医師が操作して動かすもので、傷んでいる骨を削ったり、人工関節(インプラント)の正確な設置をサポートします。
 またロボティックアームは治療計画にない部位に差し掛かると止まる仕組みになっており、計画外の動きを制御することで、安全かつ正確な手術を可能にします。

 

ロボティックアームの利点

 人の手のようにぶれることがなく、正確に動き、止まることです。人工股関節/人工膝関節置換術に使用するとナビゲーションで計画したとおりに手術器具を移動することができ、人工関節の固定も正確な角度で設置することが可能となります。
 このロボティックアームは、少しでも計画から外れた動きをしようとすると停止します。治療計画にない動き、削る必要のない部位にさしかかったり、インプラント設置の位置がずれたりすると停止する仕組みになっています。
 ナビゲーションシステム(Makoシステム)とあわせて使用することで治療計画通りの安全かつ正確な手術を可能にします。
 これまでの研究において、ロボティックアームを用いて人工関節全置換術を行うと、人工関節の設置精度の向上(*1. 2)が認められ、さらに人工股関節全置換術では術後の脱臼率の低減(*3)、人工膝関節全置換術では疼痛の低減(*4)などのメリットが期待できるとの結果が出ています。

 

*1) Domb, BG, et al. J Arthroplasty 30, 2208-18 (2015). 
*2) Hampp EL, et al. J Knee Surg. 32(3), 239-50 (2019).
*3) Illgen R L. et al. Surg Technol Int. 30, 365-372 (2017). 
*4) Marchand RD, et al. J Knee Surg. 30, 849-853 (2017) .

 

主に担当するスタッフ

村瀬 剛(副院長・整形外科部長)
梅本 周作(外傷整形外科部長)
許 太如(関節外科部長)

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